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「持ちつ持たれつ」と増える不器用人間

おばあちゃんは今の家に50年ほど住んでいます。

今はすっかり住宅街になってしまったけれど、引っ越した当初は畑に囲まれていて、もみこが物心つくまで家の周りは梨畑でした。
おばあちゃんが若い頃(って言っても40,50代だけど、40年前)のご近所付き合いは田舎から届いた野菜をお裾分けしあったり、子供を預けあって出かけたり、「持ちつ持たれつ」が根付いてたそうな。
特に濃厚に助け合っていた隣と向かいの家は今も同じ場所に住んでいて、おばあちゃんの子供世代(つまりはもみこの親の同級生とか)が結婚してお嫁さんなり旦那さんなりと一緒に暮らしています。
今まであったコミュニティに外から新たな人が入ったということです。
このことで、新鮮な発見もあるかもしれません。
ただ、あえて悪い言い方をすると、後から来た人の性質によって、これまで成り立っていたコミュニティはいとも簡単に崩壊します。
おばあちゃんは今も変わらず旅行に行ったらご近所さんのためにお土産を買うし、田舎から野菜が来たらお裾分けする(これは食べきれないからっていう理由もある)、何か困ってることがあったら助ける、つまり「持ってる」わけです。
でも、最近はなかなか「持たれつ」が上手くいってない様子。
あえて言うのもいやらしいけど、もちろんお返しを目当てに助けてるわけじゃありません。おばあちゃんは「これまでの普通」をただやってるだけ。
だけど後から来た人は「これまでの普通」が理解できないかもしれません。
核家族化と言われて久しい今の社会では、ご近所付き合いの方法を教わる環境が少ないのが原因かもなと思いました。実際、もみこもおばあちゃん家に引っ越してから、おばあちゃんの「普通の付き合い方」にびっくりしたし。
想像してみましたが、もみこもまた「持ち」方が苦手だし、「持たれ」方も苦手かもしれません。というか、どうしたらいいか分からない……。
「不器用ですから」で許されてきた高倉健のような人間(と言っても、「不器用ですから」はCMの台詞だし、高倉健さん自身は死ぬまで役者さんだったし、もみこも知ってるくらい活躍されていたので器用な方だと思う)が増えてきたし、自分もそうだなと実感しました。他の人がどう思うかは分からないけど、もみこはもうちょっと器用になりたいです。
なんてことを昨日おばあちゃん愚痴を聞いてて思いました。なんかね、おばあちゃんは80歳超えてまだ仕事に出てるので、日中も家にいるお向かいさんに「灯油屋さんが来たら、ついでにうちのも頼んでもらえないかしら。庭先にポリタンク置いておくし、お金も後から払うから」ってお願いしたのに、やってもらえなかったんだって。
ちなみにこれ、2週間前の出来事。
おばあちゃん、意外と根に持つタイプだった。
 
おばあちゃんって生まれたときからおばあちゃんだし、なんかふんわりとした目に見える神のような存在だったから、こういう人間味溢れる部分を見つけると面白いなぁと思う日々です。